moptar

導入事例京王電鉄(キラリナ京王吉祥寺)様

京王電鉄さま

全てのお客様の動線を取得したい!
リアルタイムの状況把握、レスポンスのよい仮説検証が可能に

効果的なマーケティングを実現するため、動線調査を検討するも、その方法について悩んでいる店舗は少なくないようです。京王井の頭線吉祥寺駅に直結する商業施設「キラリナ京王吉祥寺」もそのひとつでしたが、これを解決したのがスプリームシステムの顧客動線分析・インストアプロモーションツール「moptar」でした。同ツールの導入により、来店されたお客様やテナントへ負担をかけることなく、精度の高い動線調査を実現。リアルタイムな状況把握と仮設検証が可能になりました。今回は、導入の経緯や効果について、キラリナ京王吉祥寺 支配人 北田明様にお話をうかがいました。

キラリナ京王吉祥寺
2014年4月に開業した、地上9階・地下2階の商業施設。延べ床面積は28,000㎡、テナント数は70に及ぶ。京王井の頭線吉祥寺駅に直結しており、立ち寄りやすさや居心地の良さを重視しながら、幅広い客層に対応したテナントを展開している。最近では、隣接する「アトレ吉祥寺」との共同イベントを定期的に開催しており、吉祥寺という街全体の集客力の向上にも努めている。

お客様の回遊性の向上を目指し
入館客数のカウントやアンケートを行っていたが

北田さま

キラリナ京王吉祥寺
支配人 北田 明様

京王井の頭線、JR中央線と2つの路線がつながる吉祥寺駅は1日平均乗降人員42万人を超える主要ターミナルですが、そこに直結する商業施設が開業4周年(取材時点2018年4月)を迎えた「キラリナ京王吉祥寺(以下、キラリナ)」です。同店は好立地にあることもあり、吉祥寺を生活の拠点としている人や街に遊びに来た人など、老若男女問わず多くのお客様が訪れています。 「吉祥寺という街は人と人とのつながりが強く、お店同士の連携も盛んで、街全体にパワーがあります。私たちキラリナでは、こうした条件を活かして集客力を高めていきたいと考えており、これまでもさまざまな取り組みを行ってきました。ただ、これは縦積みの施設特有の悩みなのですが、複数のテナントを利用していただけるよう回遊性を高める工夫も併せて行う必要がありました」(北田氏)

そこで同店では、施設全体の魅力を高めるべく、入館客数のカウントや入店・退店に関する調査、定期的なアンケートなどを実施していました。しかしこれらの調査から得たデータでは回遊性の向上に関する解決策を導き出すことは難しかったといいます。 「単純に入館客数をカウントするだけでは、個々のお客様がどう動いているのはわかりません。一方、アンケートでは詳細なデータを得ることができますが、協力しようと思ってくださったお客様の意見しかうかがうことができません。すべてのお客様にアンケートを行うのは不可能ですので、本当の利用状況を知るためには別の方法が必要とは感じていました」(北田氏)

図1

把握できていたのは一部のみ

全てのお客様に対し偏りのない動線調査が可能な点
リードタイム不要で検証できる点が採用の決め手に

そこでキラリナ京王吉祥寺では、お客様の動線調査を検討することにしました。しかしビーコンなどの技術を利用した動線調査では、あらかじめお客様に特定のアプリを導入してもらう必要があります。これでは既存のアンケートと同様、一部のお客様のデータしか取ることができません。

どうにかお客様全員を対象にした動線調査を行う方法はないかと考えた同店はITコンサルタントへ相談。結果、候補に挙がった製品の中に、赤外光レーザーセンサーを活用し個人を特定しないかたちで動線調査を行える「moptar」の名前がありました。
「コンサルタントに相談はしたものの、全お客様の動線を取得できる製品はないか、あっても極めてコストが高いんだろうなと考えていました。しかし、moptarなら手ごろな価格で全てのお客様に対し偏りのない動線調査が可能と聞き驚きましたね。高い精度で動線を取得できるという機能はもちろん、取得したデータをリードタイム不要で検証できるというのも大きな魅力でした。そこで、2018年1月に問い合わせを行い、スプリームシステムへ足を運んでデモも見せてもらったのです」(北田氏)

検討の結果、同店は2月末に採用を決定。3月末には稼働スタートという、スピード導入を実現しています。

担当者との密な協力により
お客様やテナントへの影響を抑えた導入を実現

こうしてmoptarを採用したキラリナ京王吉祥寺ですが、導入時にテナントの理解を求めるなどの苦労はなかったのでしょうか。

moptarのセンサーは、キラリナでも標準的なコンコース構造である2フロアの共用部に設置されています。同店では天井に設置する3Dタイプも検討しましたが、今回のケースでは工事が大規模になること、費用がかかることなどを考え、床にポールを置く2Dタイプを選択しました。各フロアは2000㎡ほどの広さですが、それぞれ16台、17台のセンサーを設置することで、フロア共用部全体をカバーしています。

設置されるのは共用部だけとはいえ、電源やLANなどの問題もあり、テナントへの協力を仰いだこともあったそうです。しかし、全てのお客様の動線が明らかになること、調査結果をある程度共有することを伝えたところ、すぐに理解を得られたといいます。
「工事そのものは5日程度で完了し、営業にも特に影響なく調査を開始できましたが、これもスプリームシステムの担当者が密に協力いただいたおかげだと思います。サービスイン後も、お客様からのクレームなどはなく、予想以上にスムーズな導入・運用が実現しました」(北田氏)

設置図1
設置図2

センサー設置例

リアルタイムに状況を把握し、仮説を検証
将来的にはフロア全体の動線調査も行いたい

キラリナがmoptarを導入してから取材時点(2018年4月)でおよそ一月がたっていますが、具体的にはどのように活用されているのでしょうか。

同店ではまず、従来のレイアウトのまま動線調査を行い、現状を確認しました。その結果、これまで経験則で行っていた施策の仮説検証ができるようになったといいます。
「moptarではほぼリアルタイムに状況を把握できるのですが、たとえばエスカレーターからトイレに直行するお客様が多いので、トイレを出た後の動線を想定して、サインの位置を変えてみようといった仮説を立てることができます。エスカレーターの上りのお客様と下りのお客様で回遊状況に違いがあるのかをみたり、サイン設置後の誘導がうまくできているのかをみたりと、仮説を立てる→検証するを繰り返し、回遊性を高めるために最も効果的な施策を探っているところです」

図2

集計画面の他、軌跡表示やヒートマップなどの画面で日々仮説を検証

最後に、導入の感想と今後の要望についてうかがいました。
「moptarはこれまで取得できなかった貴重なデータを取得できる面白いソリューションです。将来的には各テナント内のスペースまで含めたフロア全体の動線調査を行ってみたいですね。テナント内部まで同じ人を追跡できるようになると滞在時間など時間軸を含めた評価もできるようになると思います。また、よりテナントの負荷を減らした設置方法ができるとより便利ですね」(北田氏)