aimstar

導入事例ジュピターショップチャンネル様

機械学習でDM施策のROIが倍以上に
ショップチャンネルのMAを活用したDX事例

ジュピターショップチャンネル様

※当インタビューは2020年8月25日にMarkeZineに掲載された内容です。

現在、BtoCの事業を展開する多くの企業では、顧客とのコミュニケーションチャネルを複数持ち、顧客のニーズにあわせた体験を提供しようと取り組んでいる。一方で、各キャンペーンの実施や管理は、オフラインとオンライン、あるいはチャネルごとに別部署で行われていることが少なくない。ジュピターショップチャンネルでは、スプリームシステムが提供するMAツール「Aimstar(エイムスター)」を昨年9月に導入し、顧客コンタクト全チャネル横断のデータ統合、シナリオ設計を行うことで、マーケティング施策のDXを進めている。同社でマーケティングを担当する二名に、その戦略とデータ統合が可能にした具体的な施策を聞いた。

テレビショッピング業界トップシェアのマーケティング戦略

はじめに、お二人の現在の業務領域とミッションを教えてください。

池田様: ジュピターショップチャンネルは、ショッピング専門チャンネルの『ショップチャンネル』を運営している会社です。ファッション、化粧品、家電用品などの商品を紹介していまして、テレビショッピング業界で国内ナンバーワンシェアをいただいています。

私が所属しているマーケティング部は、顧客の分析や定性・定量調査を通じてマーケティングに活かしていく役割を担っていて、オンラインとオフラインに分かれてマーケティング施策を行っています。その中で私はオフライン、主に紙媒体の施策を担当しています。

清水様: 私は同じマーケティング部で、デジタルの担当をしています。お客様に心躍る瞬間を提供すべく、EC会員の方に向けたメルマガ、LINEを通じた配信によるエンゲージメント強化と、それに紐づくLTVを高めることがミッションです。

ではそのミッションを達成するために、マーケティング全体としてはどのような戦略を立てているのでしょうか?

池田様: まずは顧客の基盤を維持・拡大していき、一人ひとりのお客様の顧客単価を高めるため、お客様を「(1)獲得・(2)定着・(3)上位化」の3つのステップに分けて施策を展開しています。

「(1)獲得」は、新規獲得のことで、様々なチャネルを通じて『ショップチャンネル』でお買い物をしてもらうお客様を増やす取り組みをしています。獲得した新規のお客様に対しては、初めての購入後1年の間に手厚くフォローして「(2)定着」を目指す施策として、割引クーポン券付きのDMを送付したり、 理解促進を促すようなコンテンツを届けたりして、2度目の購入を目指します。2度購入いただけると、3度目以降の購入率が6割以上と格段に上がるからです。以降は、さらに「(3)上位化」していくことで活性化するような施策を各セグメントに対して実施していくような流れです。

メディア特性に応じたカスタマージャーニーを描く

オンラインとオフラインの役割はどのように分けられているのでしょうか?

池田様: 前提として、デジタルでアプローチできるお客様はEC会員・メルマガ登録が必要となるので、規模感としては全体の4分の1程度にとどまります。

かつ『ショップチャンネル』ユーザーの平均年齢は60代と高めなため、紙媒体のほうがCVRが高い傾向がありますが、紙はコストがかかります。なので、オフラインでアプローチできないセグメントに関してはオンラインでアプローチするといった使い分けをしながらやっています。

清水様: 具体的な施策の切り口で言うと、新聞広告やインフォマーシャルなどで購入を促進したり、ロイヤリティサービスの提供、プレゼントキャンペーンの実施をしたりすることによってアプローチできる顧客を維持拡大し、その中でDMやメルマガ、LINEなどでリテンションレートを向上させるの が全体の仕組みです。アクティブユーザー数を増やすこと、一人ひとりのフリークエンシーを高めることを重視しています。

オフラインとオンラインではメディア特性が違うので、リーチ・レスポンス力の高いDMを基点にリテンション施策は行い、下流をオンラインが担う形になりますが、オンライン・オフラインで分断しているわけではなく、メディア特性に応じてカスタマージャーニーを描き、顧客エンゲージメント強化を進めています。

独自の指標で施策とコンテンツとのマッチ度を評価

施策を行う中で、どのようにPDCAを回しているのでしょうか。

池田様: 施策の形を検討する際は、ABテストを実施しながら、ブラッシュアップを図っています。施策を継続するかどうかは、ROIを見ての判断です。オフラインの場合はターゲットを特定して行う施策が多いので、同じ抽出条件でとってきた母数に対してアプローチするグループとしないグループに分け、両グループのCVのサンプルを増分のCVとして、最終的にコストを回収しているかを利益ベースで見ます。

清水様: オンラインについては、リテンション目的のものに関しては純増効果が測れるので、レスポンスの純増とそれによる純増売上金額、ROIを指標に施策評価を行っています。

顧客エンゲージメント醸成のためにより重要視している各種配信施策に関しては、一般的なネット指標と同じで、開封率やCTR、CVRや直帰率、アクティブのオプトアウト(メルマガ登録解除)の割合など。あとはコンテンツがターゲットにマッチしているかを見るために、リンクパワーというCTRとCVRを掛け合わせた当社の独自指標を使ってリンク別/配信別の評価を出しています。

オンオフの統合と予測モデルの活用でROIを2倍以上に

そうした施策の実行に、現在はMAツール「Aimstar 」を活用されているとのことですが、導入の経緯や背景にあった課題、「Aimstar」を選ばれた理由を教えてください。

池田様: 元々はデータベースから、色々な条件でクエリを設定して抽出し、そのリストをもとに施策の実行や効果検証をしていました。ただし、作業にかなりの時間を要していたため、それを改善する目的で「Aimstar」を導入しました。

実際に導入すると、当初の目的通り作業負荷がかなり軽減され、ワンクリックで効果検証できるまでになりました。分析機能に関しても、それまでは一から手でクエリを作ってやっていましたが、「Aimstar」には100種類以上の分析テンプレートが標準搭載されていて、高度な分析の機能も揃っているので、分析の手間もなくなりましたし、レベルもかなり上がってきたと実感しています。

清水様: 補足すると、これまでもオンライン側で導入していたMAツールはありました。しかし操作が難解で、大分前にリリースされたものだったので機能も限定的で、オフラインへの適用も難しかったんです。

それで新しくMAを導入する際は、オフラインでも活用できるものにし、シームレスな施策実行をしていきたいと考えていました。その点「Aimstar」は、オンライン・オフラインのデータを統合できるのが採用ポイントとなりました。

導入後に行ったマーケティング施策で、どんな部分に効果を感じましたか。

池田様: 効果が高かったのは、DM施策です。

今まで我々のターゲットの設定条件は、基本的に最終購入時期(リーセンシー)と累計購入回数(フリークエンシー)でセグメント分けすることが多かったのですが、「Aimstar」が導入されてからは、機械学習を取り入れたDMの予測モデルを作ってもらい、お客様の属性や購入傾向からスコアリングが行われスコア上位へDM送付する仕組みも取り組み始めました。

まだ開始から半年ほどですが、回数を重ねるたびに効率が高まっていて、従来の施策と比べてROIに倍ぐらいの差が出ています。

クーポン効果の可視化や成果につながるレコメンドを実現

池田様: それと、今までオンライン・オフラインのシステムが分かれていたこともあり、連動感のある施策が組みづらかったのですが、導入によってデータが一元管理できるようになり、オンライン・オフラインのハイブリッド施策ができるようになったのも良かった点と考えています。

たとえば、2回目の購入促進に向けて購入があるまでDMで4回ほどアプローチしているのですが、徐々にリピート率が下がって終わってしまっていたところを、メルマガ会員に関しては、引き続きアプローチを繰り返していけるようになり、その増分が期待できるようになりました。

清水様: クーポン施策にも軒並み効果が見え始めています。

DM送付の際に割引クーポンを同梱したりしているのですが、今までの仕組みだとDMで配ったクーポンを使ったかどうかの判断が付かなくて、有効なセグメントができず、クーポンメール施策の効果は限定的なままでした。

それが「Aimstar」を導入することで、“今クーポンを持っている人”“これからクーポンを持つ人”“最近使っている人”という具合にクーポンDMの対象者をセグメントに分けて情報連携できるようになり、クーポン効果もより見えるようになりました。

もうひとつ大きな効果が出ているのが、今年2月から始めた毎週のレコメンドメールです。

今までは単品ベースの一般的な協調フィルタリングのアルゴリズムを使っていたことと、Webトラフィックデータがベースであったこと、かつ日替わりでお客様に色々な商品を提供するビジネスモデルであることから旧来の商品レコメンドは合わないと考えていました。

ですが「Aimstar」を導入し、ベースとなるデータを全顧客の購入履歴に、アルゴリズムをブランドベースのアソシエーションモデルに変えたところ、レコメンドメールにも適応した環境になりました。その結果、非常に大きな成果が出始めているんです。

チャネルを増やして理想的な顧客接点の統合へ

取り組みによって、実際の売上や数値にどのくらい変化が生じていますか。

清水様: 特に購入頻度の低かった層のフリークエンシーが伸び、売上に大きな影響が出ています。レコメンドメールについては週1で行っているのですが、旧来のレコメンドと比較してCV率が2倍以上に上がり、純増する効果も見える進捗結果となっています。

池田様: オフライン施策については、先ほどお伝えした通り、セグメンテーションの仕方を変えたことでROIの数値が高くなりました。

清水様: 導入前と比べてメルマガ顧客の購入アクティブカスタマー数が急増していて、数ヵ月で数万人増えました。どうやら購入アクティブカスタマーのオプトアウト率が下がったことも一つの要因のようです。お客様1人当たりの配信頻度を「Aimstar」上で自動抑制しているのですが、その効果を証明していると見ています。あわせて全体の売上に対するメルマガ顧客比率も上がり、大きな規模の売上寄与となっています。

今後、「Aimstar」を活用してどのような施策を実施していきたいとお考えですか。

池田様: 私の中で「Aimstar=機械学習」というイメージが付くほどに、機械学習を取り入れたDMモデルに大変手ごたえを感じています。なので、今後も機械学習を活用したセグメントの抽出やモデルの強化というのを検討していきたいですね。

清水様: 今「Aimstar」で使っているメディアは、DMとメルマガ、LINEですが、Webコンテンツのほか、インバウンドコール、パーソナライズドのサービスなど、まだまだ活用のポテンシャルがあると考えています。周辺システムにも関わることなので十分精査した上でとなりますが、今後についてはそのチャネルを増やしていきたいです。